2025年09月09日

品川区の小中一貫校「荏原平塚学園」を視察しました

9月5日、同会派の井上温子議員と、品川区のせお麻里議員と一緒に、品川区立荏原平塚学園を視察させていただきました。

この学校は、2010年に2つの中学校と1つの小学校が統合されてできた小中一貫校で、現在は1年生から9年生まで、約800人の児童生徒が学んでいます。特別支援学級(小中)も併設されており、多様な学びを支える体制が整っています。

板橋区でも、志村地域において小中一貫校の整備が進んでいます。今回の視察では、既に運営されている先進的な事例を通して、教育内容だけでなく、施設設計や人員配置、運営上の工夫などを実際に見て学ばせていただきました。

 

🔵小中一貫教育のメリットと工夫

校長先生からは、運営上の大きなメリットとして以下の3点をお話しいただきました。

① 小中のギャップを埋める仕組み

小学校と中学校の生活習慣や指導方針の違いを緩やかにつなぐ工夫がされています。

例えば、授業時間は1〜4年生が45分、5〜9年生は50分と徐々に移行する仕組みになっており、チャイムも学年によって使い分けられています。生活のリズムや学習ペースを自然に中学校モードへと移行できるように設計されていました。

② 中1ギャップの緩和と異学年交流

学年構成を「4-3-2」のブロックで運営し、教員間の情報共有や子ども同士の関係性をスムーズにする取り組みがなされています。

特に印象的だったのが、建物の空間設計です。低学年では教室を広くとり、落ち着いた学習環境を。中学年になると廊下が広くなり、オープンスペースが増えることで活動の幅が広がります。高学年になるとロッカーが設置され、自立的な行動がしやすくなる設計になっていました。

5年生から部活動に参加できる仕組みもあり、異学年の自然な関わりが生まれやすい環境です。

 

🔵ハード面の特徴と活用

施設面でも特徴的な工夫が多数ありました。

◎ 全天候型の屋上プール

屋上には屋根付きのプールが設置されており、雨天でも使用可能。真夏の酷暑日には利用できない日もありますが、6月から10月までの間でしっかりと授業時間が確保できるよう、10時間以上の入水機会を担保しています。

◎バスケットコート3面分のアリーナと自由開放の武道場

体育館(アリーナ)は複数学年が同時に体育授業を行える広さがあり、放課後は部活動に活用。武道場は放課後自由に使える「遊びの空間」として開放されていて、子どもたちにとっての居場所になっているとのことでした。

また、屋上庭園も放課後の活動スペースとして利用されており、校内に多様な居場所があることも印象的でした。

図書室もとても広くて、ついつい手に取りたくなるような工夫がたくさんありました。

小学生でも中学生向けの本に触れることが出来るのも良いですね。

 

🔵学校運営と組織体制の工夫

視察では、学校のマネジメント体制についても詳しく伺うことができました。

  • 副校長が小学校・中学校それぞれに1名ずつ、さらに全体を統括する統括副校長が1名の3名体制。
  • 統括副校長は小中一貫校の経験が長く、職員間の連携の要となっている。
  • 教職員が120名近く在籍しており、ICT部、学習指導部などの部門ごとの担当制で組織を運営。会社のように役割を可視化する組織図も作成されていました。
  • また、事務職の業務も非常に多岐にわたるため、通常の学校以上に人的支援が必要とのこと。事務職員の加配の必要性も現場の声として挙げられていました。

 

🔵板橋区での今後の小中一貫校づくりへ

現在、板橋区では志村地区で小中一貫校の整備が進められています。

教育内容や施設整備はもちろんのこと、今回の視察で学んだように、人的配置や職員同士の連携体制、段階的な移行に向けた準備の進め方なども非常に重要です。

特に、開校に向けた2年前からの教員同士の協議や、小中の文化の違いを理解し合う時間の確保は、教育の質の確保のためにも欠かせないプロセスであると実感しました。

今後、板橋区での小中一貫校整備を進めていく上で、子どもたちにとっても教職員にとってもより良い教育環境を整えるために、今回の視察を活かし、引き続き提案・議論を重ねていきたいと思います。

ご対応いただいた荏原平塚学園の皆さま、品川区教育委員会の皆さま、本当にありがとうございました!