2025年11月25日

【三豊市「夜間中学校×学びの多様化学校」を視察しました】

〜年齢や背景を超えて学び合う“もう一つの学校”〜

四国視察3箇所目

今回の視察では、三豊市が取り組む「夜間中学校」として全国初の学びの多様化学校(不登校特例校)となっている高瀬中学校夜間学級に伺いました。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1387004.htm

 

夜間学級と学齢期の生徒が同じ場所で学ぶ仕組みは 全国でも珍しく、学びの多様化学校は四国ではここだけ です。

学び直しを必要とする大人と、学校に通いづらさを抱える子どもたちが、同じ校舎で支え合う姿には、たくさんの気づきがありました。

 

■ 「夜間中学校 × 多様化学級」の併設が生む、あたたかい相互支援

三豊市の夜間学級には現在 14名が在籍。

うち 6名は学齢期の子どもたちで、残りは学齢期を過ぎた大人の方々です。

クラスは

  • 3クラス / 5コース開設
  • マンツーマン指導が中心の学齢期コース
  • 全員で取り組む技能教科(音楽・体育・学活など)

という構成になっていました。

▶ 年齢も国籍も違う人たちが、自然に支え合う

視察時の説明では、こんな光景が印象的でした。

  • 授業前の補食時間に一緒に五目並べをする
  • スイカ割りや太鼓体験などの世代を超えた行事
  • 工作や共同作業で、自然に仲間意識が生まれる
  • 「旅行に行ったことがない」子が初めて体験に挑戦する

大人の受講生の「受容する姿勢」が、子どもにとって安心感になっているそうです。

休み時間に異年齢の生徒同士が卓球を楽しむ姿も見られます。

年齢や背景の違いが壁になるのではなく、むしろ 「多様な人生に触れる“あたたかい学びの場」になっていました。

 

■ 夜間だからこそ、来ることができる生徒がいる

夜間中学校は 四国で3校のみ。

三豊市の夜間学級は「学び直しの大人」だけではなく、夜間であれば通える子どもたちをも支えています。

 

● 昼間は体調の波が強い

● 家庭環境の事情で昼に外出しづらい

● 人の多い時間帯が苦手

● 不登校が長引き、マンツーマンで勉強支える必要がある

 

こうした子どもたちが、

「夜なら来られる」

「この雰囲気なら行ってみようと思える」

と話してくれているとのこと。

ある生徒の保護者は「小学校以来、久々に授業参観ができた」と笑顔で語っていたそうです。

 

■ コース別学習と多様化教育

授業は17:20から開始。

学齢期の児童生徒は原則として 保護者の送迎・付き添いがあります。

遠くは徳島県から1時間かけて通うご家庭もありました。

■ コースごとの特色

  • 5教科は個別指導で丁寧にサポート
  • 技能教科は全員で体験型授業
  • 夏休みも「生活リズム」が崩れないよう補習を実施
  • 定時制高校との交流訪問や文化祭参加
  • 外との接続を意識した探究・行事も充実

「夜間 × 多様化学級」の組み合わせが、

生活リズム、自己肯定感、対人スキルの回復に非常に効果が高いそうです。

3ヶ月通うと「がらりと変わる」子も多いとのことでした。

 

 

■ 受入れ人数と指導体制

市長の強いリーダーシップのもと、この夜間学級での学びの多様化学校が実現しました。

現在は14名という少人数で手厚い支援が提供されています。

 

定員は設けていないが、想定60名

ただし、実際には…

  • 1クラス8名が限界
  • 子どもはマンツーマン指導が必要
  • 多様な背景の生徒が混在するため、教師ひとり当たり生徒5名が限度

といった現実も伺いました。

 

■ 「夜間だからこそ」親の関わりが深まる

担当教員から特に強調されていた点がこちらです。

● 夜間は保護者が送迎できる

● 親子の会話が増え、関係が改善する

● 子どもが変わると、親も変わる

● 家庭の連鎖的な困難を断ち切るきっかけになる

 

「教育が家庭の困りごとを断ち切る」という三豊市のビジョンが、夜間学級の中で具体化されていると感じました。

 

図書館や、体育館も夜間に利用出来ることも良い点だと感じました。

■ 視察を終えて(まとめ)

三豊市の夜間中学校と学びの多様化学校は、

単なる“不登校支援”や“学び直し”の枠に収まらない、

「人生にもう一度、学びを通して光を当てる場所」でした。

そこでは、

  • 年齢や国籍を超えて支え合う学び
  • 夜間だからこそ通える子がいる事実
  • 親子関係の改善
  • 自己肯定感の回復
  • 社会との接続
  • 教員が一人ひとりを丁寧に見られる人数設定

こうした“学ぶ権利の実現”が丁寧に積み上げられていました。

板橋区においても、

「昼に通えない子をどう支えるのか」「夜間の学びという選択肢はありえるのか」

という新しい視点を持つ必要があると強く感じました。