〜子どもが「自分で選び、越境し、未来をつくる」まちの仕組み〜
香川県三豊市に、いま全国から注目が集まっています。理由は、従来の「部活動の地域移行」ではなく、子どもたちの学びと成長そのものを捉え直す“放課後改革”を進めているからです。
その仕掛け人は小玉祥平教育センター長
https://shoheikodama.notion.site/
32歳という若さで教育センター長を務めています。

今回の視察では、行政・教育委員会・地域の大人・企業が一体となり、子どもたちの“自己決定”と“越境”を支える仕組みを丁寧にお伺いしました。
四国視察2箇所目です。

板橋区のこれからのヒントがたくさんありましたので、まとめてご紹介します。
■ 三豊市が目指している放課後の姿
三豊市が掲げているキーワードは、
「新しい教育のかたち」 と 「生まれた地域による格差をなくす」。
少子化や教員の働き方改革を背景にしつつも、単に部活を民営化するのではなく、
“付加価値をつけて選べる放課後”をつくること
子ども自身の“自己決定”で学びを選ぶこと
を重視して改革が進められています。
教育委員会の中に専属の事務局を設置し、制度づくりから伴走まで一括管理。
活動は地域・企業・大学生・外郭団体が支え、まさに“まち全体で育てる”仕組みになっていました。
▪️ 地域で行う探究学習が放課後の軸に
三豊市の特徴は、部活動だけでなく、「探究学習」そのものが地域で広がっていることです。
● 次の世代へつなぐ「探究部」
子どもたちが自分の“偏愛”(大好きなもの)からテーマをつくり、地域の大人や大学生が伴走します。
その活動がまた次の世代へ引き継がれ、町の文化になりつつあります。
● 地域の魅力を自分たちで高める
有名な「父母ヶ浜(ちちぶがはま)」の活動では、子どもたち自身が観光客と対話したり、ワークショップを開いたりしながら、“自分たちの町をより魅力的にする”探究活動 を実施。
子どもたちの挑戦が、実際に地域を活性化しています。
■ 多様すぎる「選べるクラブ」の世界
三豊市では、企業・任意団体・地域外の団体も含め、誰でも「クラブ登録」が可能。
子どもたちは、学校外の幅広い選択肢から、自分に合う活動を選びます。
そのラインナップが本当に多彩です。
一例をお伝えすると↓
① 三豊マネー部(金融リテラシー)
三井住友信託銀行と連携した本格的な金融教育クラブ。
金融知識だけでなく、
「お金の自信=自分の人生を自分でつくる力」
を育てることを重視。
人とのつながり・時間・経験などの“他の資本”をどう活かすかまで学びます。
② SNS部(SNSの“つくり手の視点”を学ぶ)
ただ発信するのではなく、「バズの裏側」「炎上リスク」「企画の組み方」など、
SNSの本質を学ぶクラブ。
職員や外部講師が安全に配慮しながら、制作の裏側まで学べます。
③ 伝統芸能クラブ
地域の伝統芸能を学び、
将来的には“担い手”や“指導者”になることを見据えています。
部活動が地域文化を保全する役割も果たしています。
■ 外郭団体「ミクスポ」と企業連携
三豊市では、外郭団体をミクスポ立ち上げ、
100以上のプロジェクトを5年で実施、事業規模は30億を超えるそうです。
その成果として、
など、民間・地域・行政が互いに強みを出し合う体制が整っています。
■ “越境”を積み重ねることが、子どもの未来をつくる
三豊市の放課後改革の哲学ははっきりしています。
「幼いころから小さな越境を繰り返し、自己決定を積み重ねること」
「好きから始まる学びが、将来の一歩を踏み出す力になる」
40名ほどが所属する探究部、地域DX、国語・地域学などのクラブも含め、
子どもたちは放課後に多様な領域へ越境できます。
放課後の選択肢そのものが、子どもたちの将来の人生設計につながっているのだと感じました。
■ 視察を終えて:板橋区への示唆
今回学んだ最も大きなポイントは、“子どもに選択肢を渡すには、まちに多様な大人の関わりが必要”
ということです。
三豊市では、文化・人材・企業・地域の仕組みが支え合い、
行政がそのハブとして機能していました。
板橋区でも、
などを総合的に結びつけることで、
子どもたちの「放課後の自己決定」をもっと豊かにできると感じます。
貴重なお時間をありがとうございました!
Copyright (c) 大野ゆか. All rights reserved.