2025年11月25日

【香川県三豊市の放課後改革を視察しました】

〜子どもが「自分で選び、越境し、未来をつくる」まちの仕組み〜

香川県三豊市に、いま全国から注目が集まっています。理由は、従来の「部活動の地域移行」ではなく、子どもたちの学びと成長そのものを捉え直す“放課後改革”を進めているからです。

その仕掛け人は小玉祥平教育センター長

https://shoheikodama.notion.site/

32歳という若さで教育センター長を務めています。

 

今回の視察では、行政・教育委員会・地域の大人・企業が一体となり、子どもたちの“自己決定”と“越境”を支える仕組みを丁寧にお伺いしました。

四国視察2箇所目です。

 

 

板橋区のこれからのヒントがたくさんありましたので、まとめてご紹介します。

 

■ 三豊市が目指している放課後の姿

三豊市が掲げているキーワードは、

「新しい教育のかたち」 と 「生まれた地域による格差をなくす」。

少子化や教員の働き方改革を背景にしつつも、単に部活を民営化するのではなく、 

“付加価値をつけて選べる放課後”をつくること

 

子ども自身の“自己決定”で学びを選ぶこと

を重視して改革が進められています。

 

教育委員会の中に専属の事務局を設置し、制度づくりから伴走まで一括管理。

 

活動は地域・企業・大学生・外郭団体が支え、まさに“まち全体で育てる”仕組みになっていました。

 

▪️ 地域で行う探究学習が放課後の軸に

三豊市の特徴は、部活動だけでなく、「探究学習」そのものが地域で広がっていることです。

 

● 次の世代へつなぐ「探究部」

子どもたちが自分の“偏愛”(大好きなもの)からテーマをつくり、地域の大人や大学生が伴走します。

その活動がまた次の世代へ引き継がれ、町の文化になりつつあります。

 

● 地域の魅力を自分たちで高める

有名な「父母ヶ浜(ちちぶがはま)」の活動では、子どもたち自身が観光客と対話したり、ワークショップを開いたりしながら、“自分たちの町をより魅力的にする”探究活動 を実施。

子どもたちの挑戦が、実際に地域を活性化しています。

 

■ 多様すぎる「選べるクラブ」の世界

三豊市では、企業・任意団体・地域外の団体も含め、誰でも「クラブ登録」が可能。

子どもたちは、学校外の幅広い選択肢から、自分に合う活動を選びます。

そのラインナップが本当に多彩です。

一例をお伝えすると↓

① 三豊マネー部(金融リテラシー)

三井住友信託銀行と連携した本格的な金融教育クラブ。

金融知識だけでなく、

「お金の自信=自分の人生を自分でつくる力」

を育てることを重視。

人とのつながり・時間・経験などの“他の資本”をどう活かすかまで学びます。

 

② SNS部(SNSの“つくり手の視点”を学ぶ)

ただ発信するのではなく、「バズの裏側」「炎上リスク」「企画の組み方」など、

SNSの本質を学ぶクラブ。

職員や外部講師が安全に配慮しながら、制作の裏側まで学べます。

 

③ 伝統芸能クラブ

地域の伝統芸能を学び、

将来的には“担い手”や“指導者”になることを見据えています。

部活動が地域文化を保全する役割も果たしています。

 

■ 外郭団体「ミクスポ」と企業連携

三豊市では、外郭団体をミクスポ立ち上げ、

100以上のプロジェクトを5年で実施、事業規模は30億を超えるそうです。

その成果として、

  • 子どもの活動を支援する「全国版基金」の運用
  • 月謝の問題を寄付で補う仕組み
  • 将来の仕事につながる企業冠クラブの創設

など、民間・地域・行政が互いに強みを出し合う体制が整っています。

 

■ “越境”を積み重ねることが、子どもの未来をつくる

三豊市の放課後改革の哲学ははっきりしています。

「幼いころから小さな越境を繰り返し、自己決定を積み重ねること」

「好きから始まる学びが、将来の一歩を踏み出す力になる」

 

40名ほどが所属する探究部、地域DX、国語・地域学などのクラブも含め、

子どもたちは放課後に多様な領域へ越境できます。

放課後の選択肢そのものが、子どもたちの将来の人生設計につながっているのだと感じました。

 

■ 視察を終えて:板橋区への示唆

今回学んだ最も大きなポイントは、“子どもに選択肢を渡すには、まちに多様な大人の関わりが必要”

ということです。

 

三豊市では、文化・人材・企業・地域の仕組みが支え合い、

行政がそのハブとして機能していました。

 

板橋区でも、

  • 地域クラブ
  • 多様な居場所
  • 企業連携
  • 若者・大学生の参画
  • 子ども主体の探究

などを総合的に結びつけることで、

子どもたちの「放課後の自己決定」をもっと豊かにできると感じます。

 

貴重なお時間をありがとうございました!

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