2024年12月17日

名古屋市山吹小学校 イエナプラン教育の視察へ

昨日は、名古屋市山吹小学校に視察へ伺いました。

山吹小学校では、「子ども真ん中」を最上位目標に掲げ、子どもたちが自律して学び続ける力を育むため、また一斉授業の課題を解決するためにイエナプラン教育を実践しています。

🌟 イエナプランってなに?

オランダ発の教育理念で、年齢や習熟度を超えた「みんなで学び合う」ことを大切にしています。子どもたちは自分のペースで学び、先生は必要なサポートをすることで、1人1人の個性や力を伸ばします。

 

⚪︎主な実践内容と特徴

  1. YST(山吹セレクトタイム)の導入

・いつ学ぶか、何を学ぶか、どのように学ぶかを生徒自らが選択できる学習

(基本は国語、算数、理科、社会。中には図工なども取り入れている先生も)

・ 単元進度表を活用し、子どもたちが自ら学習計画を立てて進める仕組みを導入。

・ 学びの振り返りを重視し、達成度目標を用いた自己評価を実施。

・ 必要に応じて「ミニ授業」を展開し、つまずきやすい子どもたちへの支援を充実。

 

 

 

2. 異学年協働と学びの土台となる心理的安全性の確保

•「サークル対話」や「ふれあい活動」を通じて、異学年で協働しながら学ぶ環境を整備。

•心理的安全性を確保することで、安心して意見を共有し、互いに認め合う文化を育成。

•YAP(山吹アドベンチャープログラム)を通じて互いの理解を深め、尊重する気持ちを高める。

3. 教師の支援と校内風土の整備

•イエナプラン教育協会の研修を活用し、教職員が「なぜ必要なのか」を共有・理解しながら新しい取り組みを推進。

•職員室での対話が自然と生まれ、教職員間の協力を深める風土がある。

•異動教員にも研修やサポートを行い、取り組みの継続性を確保。

 

4. 環境整備

•教室のレイアウトは先生と生徒が話し合い、クラス別で工夫がされている。

※学校とのお約束で写真を掲載することは出来ませんが、フロアマットが敷いてあったり、座卓があったり、先生の机の配置もバラバラでクラスごとに個性がありました。

 

🔵経緯

山吹小学校では令和3年度から民間とのマッチングプログラムのモデル校になりました。

その年から、イエナプランの実践をされている先生を中心に校長先生の理解もあり、少しずつ他の先生の理解が深まっていったそうです。令和5年度から本格的に全校で取り組みを本格化し、子どもたちが主体的に学ぶ姿が見られるようになりました。

公立校なので、先生の異動は当たり前にあり、令和3年度の先生は全体の3分の1程度になっているそうです。校長も今年度変わっています。それでも、山吹小学校の取り組みが継続しているのは、先生の研修への支援、相談しあえる風土作りが要因と感じました。

名古屋市ではすぐにこの取り組みを市内の別校で拡げていく考えはないですが、山吹小から異動をされた方が別の学校で広めることができるよう、教育委員会としても研修など支援をする体制は整えているそうです。手法だけ取り入れても、それは意味がなく、先生が生徒にとって最適な学びであることを実感し自発的に広がっていくことを期待しているように感じました。

自由進度学習を取り入れるだけでなく、学習の土台になる心理的安全性を確保する取り組みは非常に参考になりました。また先生に委ねられている分、先生の負担も大きいと思うので、研修や、伴走支援など、教育委員会としてのサポートは不可欠だと感じました。

大変勉強になりました!

板橋区でもまずは実践校が出てきてくれることを期待しています!