2026年05月03日

【足立区・本木小学校を視察】特別支援教室の教員常駐配置から見えた支援のあり方

4月27日、超党派の区議の皆さんとともに、
足立区立本木小学校を視察しました。

今回のテーマは、特別支援教室です。
(板橋区でいう「ステップアップ教室」にあたるものです)

■ 背景:増え続ける支援ニーズと現場の課題

学校現場では、発達特性や学習面・情緒面で支援が必要な子どもが年々増えています。

私自身、この3年間で保護者の方や学校現場から、特別支援教室について
・入りたくても入れない
・まだ支援が必要なのに卒級になってしまう
といった声を多く伺ってきました。

制度はあるものの、
必要な子どもに十分届いていないのではないか
という問題意識がありました。

 

■ 視察の目的

今回の視察では、以下の点を中心に確認しました。

・なぜ足立区では特別支援教室の教員の「常駐配置」が実現できているのか
・早期発見・早期支援の仕組みはどうなっているのか
・利用児童数の差はどこから生まれているのか

(小学校児童数)
足立区:約28,000人/板橋区:約23,000人

(特別支援教室利用児童数)
足立区:約2,100人/板橋区:約900人

※足立区教育委員会資料より

 

※板橋区教育委員会資料より

この差の背景にあるものを、現場から学ぶことが目的でした。

 

■ 足立区の特徴:「常駐型」の支援体制

足立区の大きな特徴は、
すべての学校に特別支援教室の教員が常駐していることです。

板橋区では拠点校と巡回校の仕組みですが、
足立区では「巡回ではなく常に学校にいる」体制が取られています。

この体制は、都費教員に加えて、区費で教員を採用することで実現されています。
現在は約37名の区費教員が配置されており、年間で約1億円規模の予算が投入されています。

 

■ 現場で感じた「常駐」の価値

実際に本木小学校の現場を見て、
常駐型の支援がもたらす効果を強く実感しました。

 

視察時には、1年生の教室に担任以外で2人の教員が入り、
授業中に子どもたちを支えていました。

こうした「入り込み支援」が日常的に行われていることで、

・困っている子どもにその場で対応できる
・通常学級との連携がスムーズになる
・支援が特別なものではなく“日常”になる

という環境が生まれていました。

 

■ 子ども・保護者・教員それぞれのメリット

この体制は、さまざまな立場にメリットがあります。

子どもにとって

・困った時にすぐ相談できる
・自分の学校の先生に教えてもらえる安心感

保護者にとって

・いつでも相談できる環境

教員にとって

・自校の子どもを支えるという所属意識
・在籍学級との連携のしやすさ
・授業への入り込みが可能

さらに、新卒教員が特別支援教室に配置されることで、
多くの授業を見ながらOJTで学ぶことができ、
人材育成や離職防止にもつながっているとのことでした。

 

■ 早期発見・早期支援の仕組み

足立区では、支援を「早く始める」ための仕組みも整っています。

・保育園でのアンケート(4歳時)による“気づき”

・チューリップシート(保護者から学校へ子どもの性格などを学校側へ報告)

こうした仕組みにより、
学校に入る前、あるいは早い段階で支援につなげることができます。

■ 利用者数の違いが示すもの

特別支援教室の利用者数は、以下のように推移しています。

・板橋区:302人(2016年)→901人(2025年)
・足立区:259人(2016年)→2140人(2025年)

この差は単なる人口規模では説明できません。

足立区では、
「必要な子どもに広く支援を届ける」ことを重視し、
学校側からも利用をすすめやすい環境が整っていることが大きいと感じました。

区費による人員の“余力”があることで、
定員を理由に断る必要がなく、
結果として心理的ハードルも下がっています。

 

■ 現場の手厚い支援体制(本木小学校)

本木小学校では、児童401人に対して以下の体制が整っていました。

・特別支援教室利用児童:32名
・都費教員:3名
・区費教員:1名
・スクールアシスタント:7名
・そだち支援員:1名

学校全体で子どもを支える体制が構築されており、
支援が個別の取り組みにとどまらない点が印象的でした。

スクールアシスタントは板橋区の生活支援員です。板橋区では多いところでも

4人なので大変充実していました。

 

■ 課題と今後の検討

一方で、利用児童数の増加により、
1人あたりの個別指導時間が限られるという課題もあります。

また、情緒固定学級の設置とのバランスについても、
足立区として検討が進められている段階とのことでした。

 

■ 視察を通して感じたこと

今回の視察を通して強く感じたのは、

制度の違い以上に、
「どこまで子どもに寄り添うか」という姿勢の違いです。

・入れない子をつくらない
・支援を途中で切らない
・早く気づいて、早く支える

こうした考え方が、制度や予算、人員配置に表れていました。

 

■ 板橋区への示唆

板橋区においても、

・支援につながらない子どもをどう減らすか
・継続的な支援をどう担保するか
・早期発見の仕組みをどう強化するか

といった観点から、
今回の視察で得た知見をもとに提案をしていきたいと考えています。

最後に、事前に情報収集をしてくださった
学びの多様化地方議員連盟の
佐藤あいさんに感謝申し上げます。

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