学びの多様化地方議員連盟の視察2日目は、
地域・教育魅力化プラットフォーム を訪問しました。
今回は、同団体が取り組む「地域みらい留学」についてご紹介します。

■ 地域みらい留学とは何か
地域みらい留学とは、都道府県の枠を超えて、地域の高校に進学し、3年間を過ごす仕組みです。
現在は全国35都道府県・169校に広がり、
2025年度は946名がこの制度を活用して高校生活をスタートしています。
これまでに累計4000人以上の中学生が参加しており、都市部の子どもたちが地方で学ぶという流れが広がっています。

■ なぜ今、この仕組みが必要なのか
背景にあるのは、少子化による高校の統廃合です。
全国の市町村のうち、実に63.6%が
「公立高校が0校または1校」という状況にあります。
高校がなくなることは、単に教育機関が減るだけではなく、
・若者が地域に残らなくなる
・地元での就業につながりにくくなる
・地域産業の担い手が減少する
といった形で、まちの将来にも大きな影響を与えます。
一方で、子どもたち自身の中にも変化が生まれています。
「偏差値だけで学校を選んでいいのか」
そんな問いを持つ中学生が増えているのです。
■ 学校の魅力で人が集まる時代へ
例えば、愛媛県の 長浜高校水族館部。
校内に水族館があり、水族館部の活動を目的に全国から生徒が集まっています。
従来の「通える範囲で選ぶ学校」から、
「やりたいことを軸に選ばれる学校」へ。
教育のあり方が少しずつ変わってきていると感じます。
■ 原点は島根県・海士町
この取り組みの原点は、島根県 海士町 にあります。
かつて廃校寸前だった高校を、
「島まるごと学びのキャンパス」として再生しました。
生徒たちは寮やホームステイで生活しながら、
・地域住民との日常的な関わり
・多世代との交流
・地域課題をテーマにした学び
を経験していきます。
また、生活面では
「島おやさん」や「ハウスマスターさん」といった大人たちが、ホームシックなどの不安に寄り添い支える仕組みがあります。
さらに、学校との調整を行うコーディネーターも配置されており、学びと生活の両面からサポートされています。
こうした環境の中で、生徒たちは地域の課題や魅力を自分ごととして捉え、
自分のやりたいことにチャレンジしていきます。
■ 多様な子どもたちの選択肢に
地域みらい留学を選ぶ理由はさまざまです。
・中高一貫校に通っていたが別の学びを求めた
・やりたいことを見つけたい
・進路に迷いがある
・不登校の経験があり新しい環境で再スタートしたい
一人ひとり異なる背景の中で、「自分に合った学び」を探す選択肢の一つになっています。
■ 現実的なハードルと支援
一方で、課題もあります。
費用は平均で3年間約250万円(月6〜7万円程度)と、決して小さくはありません。
そのため奨学金制度の整備や、短期間で体験できる「おためし留学」なども用意されています。
■ 制度利用にあたっての重要なポイント
また、居住地以外の公立高校を受検する場合には、
・学校間でのやり取り
・教育委員会との調整
・各種書類の手続き
が必要となります。
こうした手続きを進めるためには、中学校の先生の協力が不可欠です。
そのため、制度の利用を検討する際には
・早めに先生へ相談すること
・ガイドブックなどで情報共有を行うこと
など、丁寧なコミュニケーションが重要になります。
私自身も、こうした情報が学校現場にしっかり届いているのか、今後確認していきたいと考えています。
■ 選択肢を知ることから始まる
板橋区の中学生も、この制度を利用することができます。
進路に悩んでいる方、
少し環境を変えてみたいと感じている方は、
ぜひ一度情報に触れてみてほしいと思います。
■ 最後に
何がその子に合う学びなのかは、簡単には分かりません。
だからこそ大切なのは、
「選択肢を知ること」です。
その中から、自分に合った道を選べる社会へ。
今回の視察を通して、その重要性を改めて感じました。
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