先日4月16日に開催された文教児童委員会において、
板橋区の教育計画に関する重要な報告がありました。
その一つが、「イエナプラン」に関する記載の変更です。
本記事では、この変更の経緯と、私自身の受け止め、そして今後の視点について整理します。
■ イエナプランとは何か
イエナプランは、
「人が幸せに生きるための教育」を目指す教育理念です。
知識の習得にとどまらず、
・自分で考える力
・他者と関わる力
・社会の中で生きていく力
を育むことを重視しています。
板橋区の教育ビジョンにおいても、
最上位目標として
「教育は人が幸せになるためにある」
が掲げられており、その方向性との親和性は高いと感じてきました。
また、現教育長は、イエナプラン認定校である
大日向中学校の校長を務められていた経歴をお持ちです。
そのため、板橋区の教育が
より子どもを中心に据えたものへと進んでいくことに、期待を寄せてきました。
私自身も大日向小中学校や、名古屋市山吹小学校に視察へ伺い理解を深めてきました。
https://yukaono.net/archives/626
https://yukaono.net/archives/556

■ これまでの経緯
教育長はこれまでの講演や講座の中で、
「イエナプラン」という言葉が一人歩きしてしまうことへの懸念や、
本来の教育の本質が伝わりにくくなることへの危惧を示されてきました。
その点については、私自身も理解しているところです。
一方で、板橋区の教育実施計画においては、
これまでの教育活動をイエナプランの視点から捉え直し、
その意義を整理しながら発展させていくという形で、
・「イエナプラン」という用語の記載
・具体的な実践を紹介するコラムの掲載
が盛り込まれました。
これは、理念を単なる言葉にとどめず、
実践と結びつけていく重要なステップであり、
大きな前進だと受け止めていました。
■ 今回の変更内容
しかし今回の報告では、
2月17日の区議会報告後に方針が変更され、
・「イエナプラン」という固有名詞の使用を取りやめ
・コラムの削除
・表現を「子どもを真ん中に据えた教育」へ変更
されたことが明らかになりました。
すでに4月1日からは、この修正後の計画が公表されています。
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/kyoikuiinkai/houshin/vision/1061061/index.html
■ 感じた課題と違和感
誰にでも分かりやすく、誤解のない表現にすることの重要性は理解できます。
しかし、これまでの議論や積み重ねを踏まえると、
今回の変更は、やや唐突であり、プロセスに疑問が残るものでした。
特に、
・なぜこのタイミングで変更されたのか
・現場や関係者との共有は十分だったのか
といった点については、丁寧な説明が必要だと感じています。
■ 「子どもを真ん中に据えた教育」とは何か
今回の変更により、「イエナプラン」という具体的な言葉は消え、
より抽象的な「子どもを真ん中に据えた教育」という表現に置き換えられました。
もちろん、この方向性自体には強く共感しています。
一方で、現状の教育が本当に
「子どもを真ん中に据えたもの」になっているかというと、
まだ道半ばであるとも感じています。
だからこそ、
・何をもって「子ども中心」とするのか
・具体的にどのように実践していくのか
といった点を、より明確にしていくことが重要です。
理念だけでなく、現場での具体的な行動に落とし込んでいくことが求められています。
■ 今後に向けて
教育は、多様な価値観が交差する分野であり、
変化には時間と丁寧な対話が必要です。
今回の件を通じて改めて感じたのは、
「言葉」だけでなく、
その背景にある理念や実践を、
どのように共有し、根付かせていくかの難しさです。
「子どもを真ん中に据えた教育」とは何か。
先生、保護者、地域、それぞれの立場から考え続けることが、
変化への第一歩になるのではないでしょうか。
■ 引き続き注視していきます
板橋区では現在、
3年間の教育実施計画である
「MIRAI SCHOOLいたばしアクションプラン2028」
が進められています。
今回の変更が、現場の実践にどのように影響していくのか。
そして、理念がどのように具体化されていくのか。
引き続き、しっかりと注視していきます。
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